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ピロリ菌(ヘリコバクター・ピロリ)

こんにちは。けごや薬局です 🙂 

東京2020オリンピック、盛り上がっていますね!
開会式のピクトグラム50個パフォーマンスはとても面白かったですし、
たくさんの競技があるんだなあと再認識できました。
これから行われる競技も楽しみですね 😀 

さて、今回は『ピロリ菌(ヘリコバクター・ピロリ)』についてお話します。

 

■ピロリ菌とは
ピロリ菌は胃の出口辺りの粘膜に住みつく菌です。
さまざまな菌は胃の強い酸の中でやられてしまいますが、
ピロリ菌は胃酸攻撃にもやられず生きることができる菌です。

■ピロリ菌感染と症状
ピロリ菌に感染していても、ほとんどの人は自覚症状もなく健康に暮らしています。
しかし、ピロリ菌に感染すると胃の粘膜に炎症をおこすことが確認されています。
感染が長く続くことで胃粘膜全体に広がり、慢性胃炎になります。
すると胃液が十分に分泌されなくなり、食欲不振や胃もたれの症状が現れることがあります。

また、一部の患者さんでは胃がんにまでなってしまう事もあります。
ピロリ菌の除菌で、がん発生率を抑えることもできます。
胃潰瘍や十二指腸潰瘍に関しても、患者の90%以上がピロリ菌陽性とも言われています。

ただ、ピロリ菌が陽性でも潰瘍にならない人もいるので、
ピロリ菌だけが疾患の原因とは言えず、
体質やストレス、喫煙、アルコールなど
他の因子も深く関係していると考えられています。

 

■ピロリ菌感染経路
ピロリ菌は歯垢や、だ液などから検出されています。
幼児期には感染しやすいこともあり、大人から子への口移しよる感染が多いと言われています。
また、上下水道が完備されていない時の日本では、井戸水からの感染も考えられています。

コップの回し飲みなどでは感染しないと考えられています。
現在の日本では、生水を飲んでもピロリ菌に感染することはありませんが、
日本の感染率は先進国の中では際立って高く、
60歳以上の60%以上がピロリ菌に感染していると言われています。

■ピロリ菌検査方法
ピロリ菌の検査方法には、内視鏡を使う方法使わない方法があります。
内視鏡を使う方法では、胃炎や潰瘍などの病気があるかどうかも直接調べる事ができます。

内視鏡を使わない方法には、抗体法というのがあり、
血液や尿に存在するこの抗体の有無を調べる方法です。

さらに、抗原法と尿素呼気試験法という、内視鏡を使わない方法もあります。
抗原法は、糞便中のピロリ菌の抗原の有無を調べる方法です。
尿素呼気試験法は、尿素入りカプセルを服用する前と後で、
吐く息の二酸化炭素の量を調べる事で、ピロリ菌の有無を確認する方法です。

陰性と言われても、疑わしい場合は、初回時と異なる検査方法で1回に限り、
再度調べる事ができます。

■一次除菌と二次除菌
除菌は、2種類の抗生剤と胃酸を抑える薬を、朝・夕7日間服用します。
除菌を成功させるには、まず禁煙し、指示通りきちんと服用することが大事です。
きちんと服用していても除菌成功率は、75%~80%です。
除菌ができなかった場合は、抗生物質を変更して、二次除菌を行います。

二次除菌の成功率は、80%~85%ですので、合わせると、
95%以上の成功率になります。
もし、二次除菌でも除菌できなかった方の三次除菌は、
保険適応外のため、自費となります。

■除菌終了後には
除菌終了後は、4週間以上経ってから判定を受けることになります。
日本での除菌後の再感染のリスクは、年に1%以下といわれていますが、
除菌終了後も定期的な検査をおすすめいたします。